エネルギー管理士 資格試験

[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅳ攻略方法(電力応用)/学習方法付き

やーま
やーま
エネルギー管理士(電気分野)の攻略方法について解説していくよ!

今回は、課目Ⅳ[電力応用]の攻略方法についてまとめてあります。

具体的には・・・問題レベル、学習方法&アドバイスの順で解説していきます。

 

課目Ⅰ~Ⅲについては下記リンクで解説しています。

[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅰ攻略方法(エネルギー総合管理及び法規)/学習方法付き

[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅱ攻略方法(電気の基礎)/学習方法付き

[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅲ攻略方法(電気設備及び機器)/学習方法付き

 

難関資格と言われる通称「エネ管」の受験を計画されている方に、少しでも参考になれば幸いです。

注意ポイント

2020年度受験に向けて、筆者が過去問題を解いた所感を元に解説しております。
2020年度無事に合格しました。←2021/1/8追記

 

学習を始める前段階の学力も計画を立てる上で重要になってくると思いますので、筆者のプロフィールも参考に掲載しておきます。

プロフィール

  • 理系大学院卒
  • サラリーマン
  • 電験三種科目合格あり(理論、法規)
  • 電験二種1次試験科目合格あり(理論、電力、法規)
  • エネルギー管理士試験は2020年度初受験

※本文中の過去問題は、公式サイトより引用。

エネ管課目Ⅳ(電力応用)

エネルギー管理士

エネ管課目Ⅳ(電力応用)は問11,12が必須問題、問13~16が選択問題(2題選択)の、合計4題解くことになります。

総括

エネ管課目Ⅳ(電力応用)

問11:電動力応用(50点) 必須

問12:電動力応用(50点) 必須

問13:電気加熱(50点) 選択

問14:電気化学(50点) 選択

問15:照明(50点) 選択

問16:空気調和(50点) 選択

(問11,12が必須問題、問13~16より2題選択。合計4題の平均点が60%以上で課目Ⅳ合格)

結論として、難易度は「普通~難」です。

 

注意ポイント

今回は筆者が選択した、問13及び14と必須問題2題について解説していきます。

 

それでは各問について、順を追って解説していきたいと思います。

 

問11,12:電動力応用(50点×2題=100点)

問題内容は、計算問題が圧倒的に多いです。

 

特に高校物理(力学)の知識を使う問題は、人によっては苦戦します。

(逆に言えば、高校時代力学の勉強をしっかりやっていた人は簡単に解けるかと思います。)

 

参考までに出題される問題を見ていきましょう。(現段階では分からなくて全然OKです。)

 

①高校物理の知識を使う問題part1

速度、加速度、移動距離などを求める問題です。

 

②高校物理の知識を使う問題part2

 

力学の力に関する問題です。電動機がついているので、電動機がする仕事なども問われます。

高校物理の内容なので忘れてしまっている人は、しっかり復習しましょう。

 

③ポンプに関する問題

ポンプに関する問題も頻出です。

こちらは完全にパターン化されているので、しっかり解法をマスターしましょう。

 

力学に関する問題は、必要とされる微積分の知識が年度毎に変わってきます。(年によっては簡単な微積知識のみで解けます。)

 

問13電気加熱(50点)

こちらの出題傾向は、知識問題:計算問題=2:1となります。

どちらかと言えば知識問題が多いですが、計算問題も比較的解きやすいのでしっかりと学習していきましょう。

 

※電気加熱の計算問題は、課目Ⅰでも似たような問題を解いているので、理解しやすいかと思います。

 

過去問チェックを行っていきましょう。

 

①知識問題

様々な加熱方法の特徴/使用用途はしっかり抑えましょう。

類題が良く出題されます。

 

②計算問題

先程も少し述べましたが、このような計算は課目Ⅰで一度勉強しています。

もちろん課目Ⅳの方が難しいですが、しっかり解説を熟読すれば理解できます。

 

ポイント

知識問題の出題比率が高いが、得点しやすい計算問題の対策は必須。

 

問14電気化学(50点)

こちらの出題傾向は、知識問題:計算問題=1:1となります

 

内容としては、水溶液電解/二次電池/燃料電池などが出てきます。

正直、化学が苦手過ぎて具体的な内容まで踏み込めなかったが、何とか本番までに形にしたよ!
やーま
やーま

 

問題を見ていきましょう!

①知識問題

皆に優しいサービス問題が出題されることもあります。

このような知識問題は、少し勉強すれば必ず取れるのでしっかりチェックしましょう。

 

化学反応速度に関する問題です。

本当に苦手な人は、詳しいことはさておき覚えていきましょう。

 

②計算問題

電池に関する問題です。

電力の計算などなので、化学が苦手な人でも解きやすいイメージです。

是非、得点源にしましょう。

 

化学反応式が出てきました。

苦手な人からしたら・・・辛いですよね。分かります。

あまり手広く学習しても仕方ないので、過去問10年分しっかり暗記して試験に臨みましょう。

 

筆者は「電気化学」に自信が無かったので、他分野でカバーする作戦を実際に取りました。

 

次から私がオススメする学習方法を解説していきます。

 

学習方法&アドバイス

エネルギー管理士

エネ管課目Ⅳ「電力応用」の学習方法&アドバイスについて解説していきます。

学習方法について

課目Ⅰ~Ⅲと同様に、エネルギー管理士の学習方法は過去問演習メインとなります。

これまでも繰り返しお話してるいように、エネ管の試験では過去問に類似した問題が頻出のため過去問演習が最重要と言えます。

 

筆者はOHM社から出ているエネルギー管理士(電気分野)過去問題集を用いて演習を繰り返すことで合格できました。

 

特に課目ⅢとⅣは同様の方法で学習を進めました。

既に課目Ⅲの記事を読んでくださった方は、基本的に同じ内容が書かれていると考えてもらってOKです。)

 

ポイント

・過去問10年分を完璧に理解すれば合格点突破

・重要ポイントはインターネットor参考書で理解度を上げる

・選択問題は2題を完璧に

 

実際の学習方法です。

学習方法

  • 過去問5年分を解答見ながら学習
  • 更に5年分自力で解いていく(分からない時は粘らず解答見る)
  • 苦手分野を徹底対策←重要
  • 過去問2周目(10年分)を解く
  • 最終確認:過去問2周目で理解できていなかった問題の解き直し

 

学習イメージ図

年度 1周目 1-2周目の間 2周目 3周目
2019年度 解答見ながら学習
(スピード重視)
苦手分野の徹底対策
→同分野の問題を10年分解く
自力で解答
間違えた問題はチェック
・理解不足な部分→参考書で理解度向上
・2周目で間違えた問題を復習
・重要問題も再確認(時間あれば)
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度 自力で解答
・分からない問題→すぐ解答チェック
重要箇所は参考書等で確認
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度

 

過去問1周目

全体的な難易度を確認するためにも、まずは過去問5年分を解答見ながら解いていきましょう。(スピード重視)

 

恐らく過去問5年分解くことで、課目Ⅳの難易度及びあなた自身の課題が明確化されるかと思います。

私の場合は、「電気加熱」「電気化学」が圧倒的に理解度(暗記)不足でした。

 

この5年分過去問を解いたタイミングで、重要ポイントかつ理解不足の分野をインターネットや参考書で確認していきましょう。

→特に高校力学の知識が足りてないと感じた方は、この段階でしっかりと学習します。

 

注意ポイント

インターネットや参考書を用いた内容の深掘りは、過去問演習5年分終えたタイミングで行いましょう。

早いタイミングから深掘りを行うと、出題頻度が高くない分野を一生懸命学習してしまうリスクがあります。

 

試験本番までに解けるようになっていればいいので、分からない問題は解答をすぐ確認しながらスピード重視で周回していくことを意識していきます。

(分からない問題を潔く諦めるのって難しいですが・・・。)

 

過去問演習10年分を1度解き終わったら、苦手分野の対策を一度はさんでみましょう。

 

苦手分野対策

10年分の過去問演習を行うと、自分自身の苦手分野が見えてきます。

私の場合ですと、先述した通り「電気加熱」「電気化学」について全く理解が追い付いていませんでした。

 

苦手分野が明白になったら、集中的にそこの分野を対策していきます。

例えば、問13「電気加熱」があまり理解(暗記)できていないようでしたら、問13を連続して10年間解いてください。

 

同じ分野の問題を連続して解くことで、あいまいだった部分がクリアになったり、記憶の定着率が上がります。

 

過去問2周目

過去問2周目で意識することは、2つあります。

・できた問題にチェックをつける(3周目以降の復習効率が上がります)

・理解不足な部分は調べる(インターネットや参考書)

 

得意分野と苦手分野が過去問2周目でより明瞭になるかと思います。

得点源となる問題を自分の中で把握していきましょう。

 

苦手分野

このような感じで、私の場合はできた問題にチェックをつけていきました。

3周目以降の学習は、丸印がついていないところを重点的に行いましょう。

 

過去問3周目以降

ここまで過去問演習2周を終えたことで、苦手分野や難易度の高い問題以外はわりと解けるようになっているかと思います。

 

3周目以降は最終チェックです。

他課目との兼ね合いをみながら、7~8割程度の得点率に到達できるように過不足なく学習することが大切になってきます。

→私のように苦手分野があっても合格できるケースはあるので、問11~14全てで100点を取る学習方法は必要ありません。

 

アドバイス

これからエネ管課目Ⅳ「電力応用」の学習を始める方にアドバイスが3つあります。

ポイント

  • 自分のタイプを知る→戦略が大きく変わる
  • 選択問題は2題に絞って学習

 

自分のタイプを知る→戦略が大きく変わる

課目Ⅳ攻略に向けては、自分のタイプをしっかり把握することが大切です。

 

力学+微分積分の習熟度 問11,12 選択問題(問13~16)
タイプⅠ 8~9割目指し学習 6割狙い(過去問10年分暗記)
タイプⅡ × 6割狙い(微分積分多めの年でも5割取れるぐらい) 8~9割目指し学習(知識問題が多いので必要あれば過去問12年分解く)

 

タイプⅠ:力学+微分積分◎

高校時代「物理選択」かつ「微分積分に抵抗ない」方は、こちらのタイプⅠです。

(私もタイプⅠでした。)

 

・問11,12について

力学+微積の知識を思い出しながら過去問演習を進めていくことで、問11,12で安定して高得点が取れるようになるかと思います。

また、誘導電動機に関する計算問題、ポンプ類の計算問題はパターン化されているので過去問演習を通して必ず得点源にしましょう。

→力学の問題を間違えた時のサポートとなります。

 

・選択問題(問13~16)について

一方で選択問題(問13~16)は知識問題の割合が多めです。

過去問10年分をとにかくインプットしましょう。

人によっては選択問題の全分野がほぼ初見であり(化学は一応高校で学習していますが)、一からしっかり学習するには効率が悪いかと思います。

 

問11,12の力学問題で点数を稼ぐので、選択問題は6割を確実に切らない学習=浅く広く知識を得ることを意識しましょう。

 

タイプⅡ:力学+微分積分×

高校時代「物理未選択」かつ「微分積分が苦手」な方は、こちらのタイプⅡです。

 

・問11,12について

力学+微積の学習を一から始めると時間がかかるので、問11,12力学の問題は基本問題を確実に取り切れるように学習していきましょう。

→難しい微分積分が出てきた時は、サラッと解答を見る程度でOK。試験直前期で時間が余ってたらしっかり理解するぐらいの気持ち。

 

その一方で、誘導電動機に関する計算問題、ポンプ類の計算問題はパターン化されているので得点源にしましょう。

力学の問題が難しかった際も問11,12で6割取ることが目標となります。

 

・選択問題(問13~16)について

選択問題(問13~16)は知識問題も一定数出題されるので、まずは過去問を解きながらインプットに努めましょう。

問11,12で高得点が望めない分、知識問題の精度は何度も反復してあげるようにして下さい。

 

もちろん計算問題についても、解法をしっかりマスターしてミスを減らしていきましょう。

 

基本的に過去問演習10年分インプットで問題ないかと思いますが、知識の幅を広げる意味で問13~16については過去問演習12年分実施するのも有効です。

【目指せ!エネ管 電気分野】要点ノートと過去問解説では昔の過去問及び解答もチェックできるのでオススメです。

 

ポイント

自分のタイプを知ることで、課目Ⅳ攻略の戦略を練りましょう。

 

選択問題は2題に絞って学習

試験本番では、選択問題は問13~16の中から2題選びます。

 

学習開始時に「選択問題は念のため3題ぐらい勉強した方がいいのかなぁ・・・」と考える方も多いのではないでしょうか。

実際私も同じような悩みを感じました。

 

結論として、選択問題は2題に絞って学習するべきです。

 

もちろん事前に3~4題学習することで、試験本番の見て高得点が期待できる問題を選択できるのは大きなメリットです。

 

その一方で次のようなデメリットもあります。

理由

  • 学習に必要な時間が増える。(筆者の感覚では1題当たり15~30h必要)
  • 各分野の精度が落ちる←勉強におい反復は最重要
  • 他課目の学習に割く時間が減る

 

やはり1題多く学習することで、勉強時間が大幅に増えてしまいます。

(筆者の感覚では15~30hは必要かと思います)

 

その結果、選択問題を2題に絞った際と比較して、全体的に過去問演習の反復回数が減り学習が中途半端になってしまうリスクがあります。

学習が中途半端になることの一番の懸念点は、試験本番で基本問題を間違えてしまうことです。

 

注意ポイント

どうしても選択問題を3題以上学習したい方は、試験直前期に時間が余ったら取り組みましょう。

(筆者も3題学習する心意気はありましたが、結局時間無く2題(問13,14)のみ対策していきました。)←無事に合格

 

選択と集中することで、効率的に合格点まで辿り着きましょう!

 

まとめ

ポイント

・過去問演習10年分を仕上げればOK

・過去問>>>参考書

・自分のタイプに合った戦略で攻略

・選択問題は2題に絞って学習

エネ管課目Ⅳ「電力応用」は、これまでの学習経験(特に力学と微積)によって難易度が大きく変わるかと思います。

 

また計算問題も多いので、比較的学習に時間がかかります。

自分のタイプを見極めることで、効率よく学習を進めていきましょう。


↓オススメ参考書

みんなが欲しかった! 電験三種 機械の教科書&問題集 第2版 (みんなが欲しかった! シリーズ)

(問11,12の誘導電動機の仕組みや文章問題対策で少し利用できますが、課目Ⅳの学習では無くてもOKです。)

↓エネ管課目Ⅰの徹底解説

エネルギー管理士
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅰ攻略方法(エネルギー総合管理及び法規)/学習方法付き

↓エネ管課目Ⅱの徹底解説

エネルギー管理士課目Ⅱ
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅱ攻略方法(電気の基礎)/学習方法付き

↓エネ管課目Ⅲの徹底解説

[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅲ攻略方法(電気設備及び機器)/学習方法付き

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