夢や目標を達成するために、
才能 vs. 努力
どちらが大切だと思いますか?
もちろんそんな質問をされても答えなんか持ち合わせていません。
という方が大半だと思います。
はたまた、
心の中では「才能が重要」だと思いながらも倫理的に「努力が重要」だと言ってしまったり、
圧倒的な才能の前に打ちひしがれた経験より「才能が全て」と答える方もいるかもしれません。
中には、「才能」が重要だと認めつつ、自分に特別な才能が無いことを薄々感じて「努力が重要」だと思い込もうとしている人もいるかと思います。
筆者は間違いなく最後に紹介したタイプです。
「才能」も何かを成し遂げるために重要な要素だと感じつつも、時には「努力」で才能を凌駕することも可能ではないのかと考えています。
そして、このような思考を持っている人の想いを、シンプルな言葉で表現しているアンジェラダックワースという心理学者がいました。
アンジェラダックワース
[経歴]
・ハーバード大学→オックスフォード大学→マッキンゼー→心理学者
・GRIT=やり抜く力に関する研究の第一人者
こちらの アンジェラダックワースさんは、「努力」の重要性について言及しており、努力して「やり抜く力」こそが重要だと訴えています。
何か夢や目標を持っていて努力を続けるあなたにとって、私が書籍「やり抜く力 GRIT(グリット)」の中で見つけたこの言葉が少しでも心に響けば幸いです。
ポイント
- 達成=才能×努力×努力(努力の2乗に比例する)
- 我々は他人の努力を知らず「天才」という言葉で片づける
・才能 vs. 努力について考えてみたい人
・努力している方
達成=才能×努力×努力(努力の2乗に比例する)
まず始めに、今回のテーマである才能 vs. 努力どちらが物事を成功するために重要かという問いに対する、明確な答えは存在しません。
それを前提にしながら、「達成」するために重要な要素として「努力」が欠かせない理由について、アンジェラダックワースさんの言葉を借りて説明していきたいと思います。
(私はこの説明がシンプルでありながら、非常にしっくり来ました。)
「努力」が重要な理由
「達成=才能×努力×努力」というシンプルな式で表すことができる。
こちらの結論を見てみると、
才能が1回掛けられているのに対して、努力が2回掛けられていることが分かるかと思います。
すなわち、シンプルに考えると、
「努力する分量を2倍にすれば、4倍の効果が得られます。」
ということがこの式から表されています。
では、次の問題について考えてみましょう。
Q.自分の2倍努力している人間より優れた成果を出すためには、何倍の才能が必要でしょうか。
A.答えは・・・2倍。と言いたくなるところですが、正解は4倍です。
4倍の才能が必要って聞くと、なかなか厳しそうですよね。
(もちろん「才能」を定量的に評価する手段を我々は持ち合わせていないので、あくまでもイメージとなるが)
そして本の中に、このようなフレーズがありました。
「2倍の才能」があっても「1/2の努力」では負ける
引用:GRITやり抜く力 著:アンジェラダックワース
この言葉に努力の重要性が凝縮されていますよね。
いくら「才能」があっても努力しない人間は、「努力」している人に簡単に抜かれてしまうのです。
こんな言葉を聞くと、「努力」ってすごい大きな価値があるように感じてきますよね。
「達成」「努力」「才能」「スキル」の関係性
先程、
達成=才能×努力×努力
という式を紹介しましたが、そもそも何故そのような答えに辿り着いたか、順を追って説明していきたいと思います。
今回説明するにあたり出てくる要素は4つです。
「達成」
「努力」
「才能」
「スキル」
アンジェラダックワースさんは、最終的に結果を出す=達成するためには、
「スキル」を「どれぐらい活用するか=努力」するかが重要だと述べています。
すなわち
「達成」=「スキル」×「努力」
であるということです。
これは、非常に分かりやすいですよね。
例として、営業の仕事を考えてみましょう。
自分自身が有している営業の力(=スキル)を活かし、何度もお客様のところに訪問することで(=努力)、最終的な結果(=達成)が出てきます。
次に、「スキル」はどのように構築されているか考えてみましょう。
「スキル」=「才能」×「努力」
で習得することができます。
先程と同様に、営業の仕事を例として考えてみます。
営業スキルは、生まれ持ったトークスキル(=才能)のようなものが強く関係することは容易に想像できます。しかしながら、生まれ持った才能だけでは不十分だと私は考えています。
例えば、自社の商品をアピールする上で、相手の知識量を正確に判断し、その相手に合わせた説明をする力は、何度も営業を重ねる(=努力)ことが重要になります。
このように、「営業スキル」を身に着けるためには「才能」と「努力」の両方が必要不可欠なのです。
ここまでの説明で3つの式が出てきました。
①「スキル」=「才能」×「努力」
②「達成」=「スキル」×「努力」
③「達成」=「才能」×「努力」×「努力」
もうお分かりの方も多いかと思いますが、
②式の「スキル」の部分に①式を代入すると・・・③式、すなわち冒頭から説明していた「努力の重要性を訴えている式」を導くことができます。
すごいシンプルで分かりやすい証明ですよね。
我々にとって「達成」するために「努力」は必要不可欠な要素なのです。
「天才」という言葉
ここまで「努力」の重要性について述べてきたが、時には「天才」という人間に出会うこともあるかもしれません。
ただ、「天才」と呼ばれる人は、本当に才能だけで周囲に比べて飛びぬけて何かに秀でる存在になったのでしょうか。
もちろん、「才能」が成果に与える影響は少なからずあることは、誰もが感じばがら生きてきたと思います。
しかしながら、成果を出している人が「才能」+「努力」で成り上がってきたこともまた、私達は心のどこかで知っていますよね。
アスリートは、私達が想像できないような過酷なトレーニングを毎日繰り返し、
YouTuberは、来る日も来る日も動画制作に時間を割き、
そのような「努力」があったから1つの大きな結果を出すことができます。
ニーチェも「天才」についてこのように述べています。
芸術家の素晴らしい作品を見ても、どれがどれほどの努力と鍛錬に裏打ちされているかを見抜ける人はいない。
その方がむしろ好都合と言っていい。
気の遠くなるような努力のたまものだと知ったら、感動が薄れるかもしれないから。
このニーチェの言葉は、超越した何かを見た時に「天才」と表現したくなる私達の心情を上手く描いていますよね。
我々は他人の努力を知らず「天才」という言葉で片づける
本当にその通りだと思います。
少し冷静に考えてみても、どんなに「才能」溢れる人も、日々の努力(本人は全く努力だと思っていない場合も多いが)をすることで 大きな成果を出していることは一目瞭然です。
あなたは、「天才」ではないかもしれませんが、周囲にとっての「天才」、すなわち「努力」することで大きな成果を得る可能性を秘めているということもニーチェの言葉から分かるかと思います。
自分自身の可能性を信じて、日々の努力を大切にしていきましょう。
・「2倍の才能」があっても「1/2の努力」では負ける
・「達成」の裏には大きな努力あり
まとめ
ポイント
- 達成=才能×努力×努力(努力の2乗に比例する)
- 「2倍の才能」があっても「1/2の努力」では負ける
- 我々は他人の努力を知らず「天才」という言葉で片づける
- 周囲にとっての「天才」、すなわち「努力」することで大きな成果を得る可能性を秘めている
才能 vs. 努力どちらが結果を出すため(=達成)に重要なのか、その明確な答えは必ずしもあるとは言えません。
しかしながら、アンジェラダックワースさんがおっしゃっていたように、「努力」が「達成」するために必要不可欠な要素であることは間違いないことはあなたも分かっているかと思います。
私は冒頭でも述べたように、
「才能」が重要だと認めつつ、自分に特別な才能が無いことを薄々感じて「努力が重要」だと思い込もうとしている人
このようなタイプの人間です。
「努力」することで必ずしも結果が出るとは言えませんが、努力をしないことには「達成」はできませんよね。
(「達成=才能×努力×努力」より努力が0だとどんなに才能があっても答えは0になりますよね)
一度だけの人生、とことん自分の夢や目標に向かって「努力」してみませんか。
↓今回の内容はアンジェラダックワースさんの「GRIT やり抜く力」を参考にしました。