難易度が比較的高いと言われる「エネルギー管理士(電気分野)」ですが、正しい学習方法(過去問メインとした学習)で取り組むことで十分合格することができます。
私自身、社会人として働きながら一発合格することができました。
これから受験されるあなたの力になれるように、試験概要/難易度/勉強方法をメインにお勧めの参考書等も紹介していきたます。
各課目の詳細な攻略法はこちらになります↓
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅰ攻略方法(エネルギー総合管理及び法規)/学習方法付き
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅱ攻略方法(電気の基礎)/学習方法付き
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅲ攻略方法(電気設備及び機器)/学習方法付き
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅳ攻略方法(電力応用)/学習方法付き
プロフィール
- 理系大学院卒
- サラリーマン
- 電験三種科目合格あり(理論、法規)
- 電験二種1次試験科目合格あり(理論、電力、法規)
- エネルギー管理士試験は2020年度初受験←合格
Contents
エネルギー管理士(電気分野)試験の特徴
エネルギー管理士試験の概要と難易度について確認していきましょう。
エネルギー管理士試験の概要
エネルギー管理士試験の概要についてみていきましょう。
(分かっている人はスルーでOK)
エネルギー管理士について
そもそも・・・エネルギー管理士試験合格&免状入手で得られる「エネルギー管理士」ってどのような役割を持っているのでしょうか。
省エネルギーセンターによると↓
エネルギー管理者は、エネルギーの使用の合理化に関して、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視、その他経済産業省令で定める業務の管理を行います(省エネ法第11条)。
要するに、「エネルギーを沢山使用する施設において、エネルギー浪費がないように管理する役割」を担います。
(詳しい職務について興味ある方は、検索してみると良いかと思います。)
試験内容
エネルギー管理士は「電気分野」と「熱分野」に分かれており、どちらか一方の分野で合格すれば資格取得になります。
電気分野 | 熱分野 | |
課目Ⅰ(150点満点) | エネルギー総合管理及び法規 | |
課目Ⅱ(150点満点) | 電気の基礎 | 熱と流体の流れの基礎 |
課目Ⅲ(200点満点) | 電気設備及び機器 | 燃料と燃焼 |
課目Ⅳ(200点満点) | 電力応用 | 熱利用設備及びその管理 |
各課目6割以上で合格です。
課目合格制度があり、3年間のうちに4課目取得できれば晴れて「エネルギー管理士」試験の合格となります。
※3年間で4課目合格できなかった場合:4年目の受験では、1年目に合格していた課目についても再受験→合格する必要があります。
注意ポイント
本記事では実際に私が受験した「電気分野」について解説していきます。
実施日
試験実施日は例年8月上旬でしたが、2020年度は8/30に開催されました。
※エネ管受験者が一緒に受験する資格試験として「電験」がありますが、基本的に電験と試験日は被らないように調整されています。
難易度
気になる難易度について確認してみましょう。
全体的な難易度
資格試験の難易度を一概に表すことは非常に難しいですが、一例として資格資格の偏差値一覧を掲載しているサイトを参照してみましょう。(資格の取り方)
エネルギー管理士(電気)→偏差値57(普通)
となっています。
同じレベルには、公害防止管理者大気1種/水質1種、宅建、証券アナリストが並んでいます。
電験との比較
電験2種>エネルギー管理士>電験3種
一般的に言われる「エネ管=電験2.5種」という表現は適切です。
ただし・・・「微分積分」及び「物理(力学)」を高校/大学時代にしっかり学習していた人は、電験3種より少ない労力でエネルギー管理士を取得できるかと思います。
すなわち、難易度は電験2種>電験3種>エネルギー管理士となります。
知識量(暗記量)は確実に電験の方が多い印象です。
各課目の難易度
課目Ⅰ~Ⅳの難易度についてチェックしていきましょう。
難易度 | 学習に要する期間 | |
課目Ⅰ(150点満点) | 易 | 3~7日 |
課目Ⅱ(150点満点) | 普通 | 1~3週間 |
課目Ⅲ(200点満点) | 普通~難 | 半月~1ヶ月 |
課目Ⅳ(200点満点) | 普通~難 | 半月~1ヶ月 |
※「学習に要する期間」は特に個人差がありますので、気を付けて下さい。
各課目について確認していきましょう。
課目Ⅰ)
エネ管課目I
問1:エネルギーの使用の合理化等に関する法律及び命令(50点)
問2:エネルギー情勢・政策、エネルギー概論(50点)
問3:エネルギー管理技術の基礎(100点)
(問1~3合計点60%以上で課目I合格)
問題のバリエーションが少なく、法律の暗記+電気及び熱の基本計算がメインとなります。
多くの人にとって1番簡単な課目です。
課目Ⅱ)
エネ管課目Ⅱ
問4:電気及び電子理論(50点)
問5:自動制御及び情報処理(50点)
問6:電気計測(50点)
(問4~6合計点が60%以上で課目Ⅱ合格)
電気回路、制御工学、情報、計器類の知識がどの程度あるかによって、難易度は大きく変わってきます。
筆者は学生時代「電気回路」「制御工学」について学んでいたので、この分野については比較的短期間でマスターすることができました。
一方で情報や計器類については知識が無く、理解や暗記するのに少し時間がかかってしまった記憶があります。
課目Ⅲ及びⅣに比べると学習量が少ないので、難易度は「普通」としています。
課目Ⅲ)
エネ管課目Ⅲ
問7:工場配電(50点)
問8:工場配電(50点)
問9:電気機器(50点)
問10:電気機器(50点)
(問7~10合計点が60%以上で課目Ⅲ合格)
変圧器や誘導電動機の簡易回路についてなど、初学者が学習するには少しとっつきにくい分野が出てきます。
(電験でいう機械分野ですね。)
個人的にはこの課目Ⅲが一番苦戦しました。
難易度としては「普通~難」です。
(私個人としては「難」です。)
課目Ⅳ)
エネ管課目Ⅳ
問11:電動力応用(50点) 必須
問12:電動力応用(50点) 必須
問13:電気加熱(50点) 選択
問14:電気化学(50点) 選択
問15:照明(50点) 選択
問16:空気調和(50点) 選択
(問11,12が必須問題、問13~16より2題選択。合計4題の平均点が60%以上で課目Ⅳ合格)
電動力応用については、物理(力学)+微分積分の知識があれば比較的簡単に攻略できます。
選択問題は何となく解けそうな「電気加熱」と「電気化学」を選択しましたが、暗記でそれなりに点数を取ることはできました。
課目Ⅳの難易度は「普通」です。
(物理+微分積分が苦手な人は「難」になると思います。)
※課目Ⅱ~Ⅳはこれまでの学習経験に大きく左右されます。
勉強方法
エネルギー管理士試験に向けて、実際に合格するまでのプロセスを確認していきましょう。
勉強手順
基本的にエネルギー管理士試験の対策は過去問を使用しましょう。
理由としては、
・エネ管の試験は過去問と同様な問題が多数出題されている。(10年分完璧にすれば100%受かる。)
・エネ管用の参考書が充実していない。(電験と比較した場合)
・4課目勉強する必要があるので、一番効率的に学べる過去問が必然的に最適解。
が挙げられます。
私の学習方法です。
学習方法
- 各課目の過去問5年分解く(スピード重視で解答見ながら)
- 苦手分野をチェック(インターネットや参考書)
- 課目Ⅰ:過去問5年分、課目Ⅱ~Ⅳ:過去問10年分を完璧にする←苦手分野は参考書等で確認
※課目Ⅰにつていは過去問5年分をしっかり対策すれば十分合格点に届きます。
詳細な学習方法は課目ごとに下記ページよりご覧ください。
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅰ攻略方法(エネルギー総合管理及び法規)/学習方法付き
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅱ攻略方法(電気の基礎)/学習方法付き
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅲ攻略方法(電気設備及び機器)/学習方法付き
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅳ攻略方法(電力応用)/学習方法付き
使用参考書
私は過去問題集と電験の参考書をメインに使用しました。
・過去問
10年分以上演習できる過去問題集を選べば、正直どれを使っても問題ないかと思います。
筆者はOHM社から出ているエネルギー管理士(電気分野)過去問題集を用いました。
メリット
- 圧倒的なコスパ(約2600円)
- 豊富な問題(2020年度版からは過去問10年分収録)
- 解答及び解説も基本的に◎
- Ohm社過去問を使用しての合格実績あり(私の周囲でも使用していた人は多いです。)
デメリット
- 解説が一部不足している(参考書等で調べる必要あり)
- 持ち運びが重くて大変
- 過去問を解いている際に解答が見えてしまう←白紙で隠せば問題なし
ポイント
過去問は掲載年数を確認の上、自分に合いそうなものを購入しましょう。
(10年以上、過去問掲載されているものにする。)
・参考書
先程述べたように、エネ管の参考書はあまり充実しておりませんが「徹底マスターシリーズ」は図も多く人気があります。
筆者は基本的に電験の参考書を使用しました。
具体的には「みんなが欲しかった! 電験三種 機械の教科書&問題集 第2版 (みんなが欲しかった! シリーズ)」です。
こちらの参考書は、フルカラー+図で解説されており初学者に分かりやすいです。
(電験の参考書を既に持っている方は、新規に購入する必要はないかと思います。)
注意ポイント
通信教育もありますが、基本的に必要ありません。
(筆者は会社の補助が出るのでJTEXの通信教育を頼みましたが、副読本として少し使用した程度でした。)
アドバイス
アドバイスとして、今回2つ紹介します。
アドバイス
- 過去問>>>参考書
- 自分のタイプを知って攻略
※課目ごとのアドバイスは、本記事下にある各課目の攻略サイトに記載しています。
過去問>>>参考書
エネルギー管理士試験の学習では、繰り返しになりますが過去問演習が最重要となります。
学習時は過去問演習をメインにして、参考書は副読本というイメージで進めていきましょう。
→参考書を初めから学習しようとする人が見られますが、学習時間が非常に増えてしまい効率が悪いです。
参考書で徹底的に学習する分野は、過去問演習を通して理解できなかった部分に絞ることをオススメします。
注意ポイント
参考書のみを完璧にしても、問題演習が足りず試験本番で得点できない可能性が高いです。
ちなみに・・・無駄に参考書を買いそろえてしまい全部中途半端となってしまうのも、資格試験における超NG行為なので注意して下さい。
(参考書買う楽しさは、筆者も痛い程分かりますが...お互い気を付けるようにしましょう。)
自分のタイプを知って攻略
学習開始時に、まずは下調べのためネットサーフィンする方も多いのではないでしょうか。
私も試験概要/勉強方法/難易度あたりはチェックするようにしています。
その後に学習計画を立てていくと思いますが、「自分自身のタイプ」も加味することが非常に重要です。
エネルギー管理士試験で言えば、
- 電験3種取得の有無
- 微分積分の知識について
- 電気回路は得意or苦手?
- 実務と近い分野の内容はあるか
- 暗記と計算どちらが得意
など自分自身のバックグラウンドと照らし合わせることで、試験合格までの道筋がより具体的に描けます。
(勉強計画を立てても上手くいかないという意見もありますが、全体量に対する自分の進捗を知る上で私は必ず必要だと考えています。)
特に課目Ⅳのように選択問題がある場合は、「自分が既に有している知識を活かせる分野はどれか」という視点で考えてみましょう。
参考
エネルギー管理士試験の難易度は、電気分野>>>熱分野と一般的に言われています。
「電気分野」及び「熱分野」が初学者の人は、熱分野を選択することをオススメします。
(もちろん電気に関する知識が必要な場合は除く)
まとめ
ポイント
・過去問演習10年分を仕上げればOK(課目Ⅰは5年分で可)
・過去問>>>参考書
・自分のタイプを知って攻略
これからエネルギー管理士試験に挑戦する方に少しでも参考になれば幸いです。
各課目に関する詳細なアドバイスは、下記リンクからもチェックできます。
↓オススメ参考書
みんなが欲しかった! 電験三種 機械の教科書&問題集 第2版 (みんなが欲しかった! シリーズ)
↓エネ管課目Ⅰの徹底解説
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[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅰ攻略方法(エネルギー総合管理及び法規)/学習方法付き
↓エネ管課目Ⅱの徹底解説
-
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅱ攻略方法(電気の基礎)/学習方法付き
↓エネ管課目Ⅲの徹底解説
-
[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅲ攻略方法(電気設備及び機器)/学習方法付き
↓エネ管課目Ⅳの徹底解説
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[エネルギー管理士(電気分野)]課目Ⅳ攻略方法(電力応用)/学習方法付き