今回は、電験2種一次試験を実際に突破した筆者が、その経験を元に攻略方法を紹介します。
ポイント
- 試験概要
- 勉強方法←おすすめ参考書あり
- 学習アドバイス
特に勉強方法については、「もう一度初めから一次試験の勉強するなら、どのように取り組むか」という視点で記載しています。
このサイトを参考に、一人でも多くの電験2種合格者が生まれることを願っています。
筆者のプロフィールです↓
プロフィール
- 理系大学院卒(電気電子系)
- サラリーマン(技術職)
- 電験3種は未取得
- 暗記→苦手
Contents
電験2種一次試験の概要
電験2種一次試験の概要について解説していきます。
試験概要
〇開催時期
電験2種一次試験は基本的に毎年9月に実施されます。(R3年度は8月開催)
〇試験科目
電験3種と同様に、理論、電力、機械、法規の4科目となります。
(公式サイト引用)
〇合格基準
各科目54/90点以上で合格。(年度により得点調整あり)
〇科目合格制度
3年間で4科目合格すれば一次試験突破。
4年目の一次試験受験時は、1年目の科目合格が取り消されるので要注意。
試験難易度&合格率
電験2種一次試験難易度
理論:難
電力:標準
機械:標準
法規:標準
※電験3種と比較
一般的な難易度:理論以外易~やや難(電験3種比較)
年度によっては電験3種より簡単に受かる年もあります。
電験3種を取得されている方であれば、理論科目以外は案外容易にクリアできる印象です。
(もちろん受験年度により、難易度の変動はあります。)
注意ポイント
ちなみに理系大卒or院卒(電気電子系)の方は、理論科目を一番容易に感じる人が多いです。
→理論が簡単だからといって試験全体の難易度を見誤ると、電力/機械/法規を落としてしまうので注意が必要です。(←初年度の私です。)
過去の合格者数&合格率推移を確認してみましょう。
(引用:公式サイト)
受験者数(名) | 合格者(名) | 合格率(%)※ | |
H28年 | 6521 | 1456 | 22.3 |
H29年 | 6570 | 1737 | 26.4 |
H30年 | 6631 | 1600 | 24.1 |
R1年 | 6915 | 1633 | 23.6 |
R2年 | 6235 | 1695 | 27.2 |
※合格率=合格者/受験者数で算出
電験2種一次試験の5年間平均合格率は、
5年間平均:24.7%
となります。
一発で4科目合格は難しいかもしれませんが、科目合格制度を上手く使えば2~3年間かけての一次試験突破は十分に可能です。
ちなみに資格資格の偏差値一覧を掲載しているサイトによると、(参考程度ですが→資格の取り方)
電験2種→偏差値64(難関)
となっています。
もちろん二次試験の難易度込みで上記の偏差値ということだと思いますが、同レベルに気象予報士などの比較的難関と言われる資格が並んでいます。
ポイント
電験2種一次試験:理論科目以外は3種の延長線で攻略可能!
電験2種一次試験 勉強方法(筆者実績)
電験2種一次試験に合格するためにオススメな勉強方法について、
実際に合格した筆者の経験を元に解説していきたいと思います。
理論 | 電力 | 機械 | 法規 | |
2019年度 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2020年度 | 免除 | 免除 | 免除 | 〇 |
一年目の挑戦が気になる方はこちらもチェック↓
-
電気主任技術者試験(電験)二種及び三種同時受験~1か月間の記録~
使用参考書
これだけシリーズ
基本事項を分かりやすく解説してくれているのが「これだけシリーズ」です。
電験初学者にとっては大変ありがたい参考書となります。
※電験3種取得済みの方→不要or苦手科目のみ購入でOKかと思います。
これだけシリーズ | |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
対象者 | 初学者or苦手科目克服 |
役割 | 基本事項の確認 |
メリット
- 電験初学者にも分かるように基本事項から明記されている。
- 重要ポイントが表などでまとまっている→インプット◎
デメリット
- 問題演習が少ない
- こちらの参考書のみで電験2種一次試験突破は困難
みんなが欲しかったシリーズ
電験3種用の参考書となりますが、とにかく図多様+カラーで分かりやすい構成となっています。
特に基本事項に不安がある方は、こちらの参考書を用いてイメージを膨らませながら学ぶことができるのでお勧めです。
ちなみに演習問題もついていますが、電験2種一次試験受験の方は特にやる必要はないです。副読本として使用して下さい。
※3種と2種一次試験では出題傾向が異なるので、3種用の問題演習(過去問)をやるより直接2種用の問題を解いた方が効率的です。
みんなが欲しかったシリーズ | |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
対象者 | 初学者 |
役割 | 基本事項の確認 |
メリット
- 図(カラー)が多用されており、とにかく分かりやすい。(イメージを膨らませやすい)
- 電験3種用の参考書なので、初学者でも分かるように基本事項から記載されている。
デメリット
- 電験2種一次試験の全内容を網羅できていない。
電験2種一次試験過去問マスタ
私が一押しする参考書(問題集)が、こちらの「過去問マスタ」シリーズとなります。
過去15年分の電験2種一次試験がテーマ別にまとめられています。
同じ分野の問題を連続して解くことができるので、非常に理解が促進されます。
過去問15年間シリーズ | |
おすすめ度 | ★★★★★ |
対象者 | 全受験者 |
役割 | 必要知識の習得/過去問演習 |
メリット
- 過去問がテーマ毎にまとめられていうので、内容理解が効率的にできる。
- 過去問演習もこれ1冊でOK
- 各テーマの出題頻度が把握可能
- 1冊約3,000円とコスパ最高
デメリット
- 解説が一部少ない部分がある
- 過去問を時間計りながら解けない
非常にオススメな「過去問マスター」シリーズですが、問題によっては解説が少なく困ることもあります。
そのような場合は、
①「これだけシリーズ」や「「みんなが欲しかったシリーズ」で確認
②インターネットで解説ページを検索
することでカバーしましょう。
↓オススメの電験攻略サイト
-
電験二種三種攻略サイトおすすめ4選
勉強方法
勉強方法
- これだけシリーズ読破×2
- 過去問マスタ×3周
- 過去問題演習
早速勉強方法について確認していきましょう。
1.「これだけシリーズ」×2周
ポイント
電験3種取得済み→スルーでOK
電験初学者→これだけシリーズで基本事項の把握(学習内容を知る)
電験に不安がある方(初学者)は、こちらの参考書を周回して大まかな内容を把握しましょう。
1周目
試験範囲の全体像を知るつもりで浅く広くサラッと1周読む。
→難しい分野に躓き、時間をかけ過ぎないように注意
2周目
1周目よりは内容理解に重点を置くが、複雑な分野はスルーでOK
あくまでも、過去問マスタに取り掛かる前の事前準備なのでスピード感を大切にする。
注意ポイント
ウォーミングアップのつもりで浅く!広く!取り組む
2.過去問マスタ×3周
ポイント
1,2周目→スピード感>理解を大切にインプットに努める
3周目→「解ける」「解けない」問題をはっきりさせながら演習(アウトプット)
4周目以降→時間が許す限り「解けなかった問題」を何度も解く
こちらの参考書を繰り返し解くことで、合格率を一気に上げることができます。
具体的な使用方法は次のようになります。
1周目
浅く広くサラッと1周読破。
→難しい問題は2周目以降の課題として先に進みましょう。
2周目
この時点では、まだ「この問題見たことあるな・・・。」ぐらいの感覚で、自力で解くのは難しいかと思います。
ですが、しっかり問題を解きはじめるのは3周目からなのでインプットを意識して前に進んでいきましょう。
→頻出分野で理解できないところに限り、2周目から少しずつ深堀りしていくのもオススメです。(これだけシリーズ、みんなが欲しかったシリーズ、インターネット等使用)
3周目
この段階では、「解ける」「解けない」問題がはっきりしてきます。
4周目以降の学習効率を考えて、解けない問題にチェックをつけていきましょう。
私の場合は、できなかった問題のページに付箋を付けてました。←次回以降の演習が効率化されます。
4周目以降
「できなかった問題」を何度も繰り返し解いていき、不安な部分は参考書等で確認していきましょう。
ここまで来れば、本番合格ラインを超えることが十分できます。
ポイント
資格試験において過去問演習はコスパ最強の勉強方法なので、「過去問マスタ」を信じて最後までやりきりましょう。
3.過去問演習
ポイント
試験本番を意識しながらしながら最終チェック。時間配分も意識しよう!
最終確認は過去問演習(年度別)にて行っていきましょう。
基本的には「過去問マスタ」で一度解いた問題となります。
しかし、過去問マスタでは分野別(加えて難易度順)に問題が並んでいるで、年度別で難しい問題と遭遇した際に解法方針をしっかり立てられるかがポイントとなります。
これまで何となく正解していた問題を洗い出しましょう。
なお、試験まであまり時間がない場合は、難問奇問は清く捨ててできる問題を完璧に仕上げることをお勧めします。
電験の合格点は約6割ということを念頭に置きましょう!
~過去問演習(年度別)方法~
私は主に電気書院の過去問集を使用しましたが、お金をかけたくない人は公式サイトから過去問をダウンロードするのもありかと思います。
公式サイト:https://www.shiken.or.jp/answer/index_list.php?exam_type=20
Q&A
これから電験2種一次試験に挑む方へアドバイスを込めてQ&A形式で解説します。
Q&A
- 勉強時間は何時間必要?
- 改めて電験勉強において一番大切なことを知りたい。
- 一次試験は2年計画って聞くけど、それに対してどう思いますか?
勉強時間は何時間必要?
A.結論として、この答えは持ち合わせていません。
なぜならば、あなたのこれまでの経験値によって必要な学習時間が大きく異なるからです。
・電験3種取得の有無
・理論科目への理解度
・数学力(理論科目攻略で少し必要になる)
・暗記力
・普段の業務内容(電験の内容が業務内にあればもちろん有利)
参考までに私のパターンを掲載しておきます。
1年目:理論、電力、機械の3科目合格
学習期間→約1.5ヶ月
2年目:法規を合格
学習期間→約10日間
合計 約2ヶ月で一次試験通過
(ただしギリギリ合格した科目も多かったので、余裕を見るなら3ヶ月は欲しいかなぁ・・・という印象です。)
改めて電験勉強において一番大切なことを知りたい。
A.色々大切なことはありますが、良い意味で完璧を求めないことが重要です。
参考書も最初から完璧に仕上げようとすると、全く前に進みません。
浅く広く(3割ぐらいの完成度で)何度も繰り返すことを意識しましょう。
大枠が掴めてくると勉強スピードも向上していきます。
一次試験は2年計画って聞くけど、それに対してどう思いますか?
A.個人的には1年目から全科目勉強することをお勧めします。
理由としては、大きく2点あります。
①科目間の繋がりがあるので、理解度を高めることができる。
②各科目の難易度は例年かなりばらつきがあるので、捨て科目が簡単だった場合もったいない。→しかも翌年難しくなる可能性あるので注意!
注意ポイント
もちろん試験2週間前などから学習をスタートさせる場合は、2科目ぐらいに絞ることを推奨します。
まとめ
ポイント
- 学習時は同じ参考書を何度も繰り返そう
- オススメは電験2種一次試験過去問マスタ
- 勉強は計画的に!←筆者は完全に後手後手になり後悔してます。
電験2種一次試験は短期間で簡単に合格できるレベルの試験ではありませんが、しっかりと学習すれば誰でも合格できる試験です。
重要なことなので何度も繰り返しますが、同じ参考書を繰り返して理解力を高めていきましょう。
これから電験2種に挑戦される方の「合格」を心より応援しています。
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